写真出典 https://pixabay.com/

こんにちは、Anejo(アネホ)です。

あなたが乗ってるクルマは、ガソリンエンジンですか?それともディーゼルエンジンですか?

「いやいや、ハイブリッドですよ!」

って人も多いか?と思いますが、チョット気になるお話があります。

それは、そう遠くない将来、ガソリン車もディーゼル車も売られなくなってしまうという事です。

という事で、チョット調べてみました。


そもそも、何故、ガソリン車もディーゼル車も販売禁止になるのか?

この取り決めは何も、特定の国で決められたものではなく、今や全世界的に広まってきている、いわばトレンドです。

そして、各国それぞれ微妙に違う思惑もあるようですが、基本的には、

「環境汚染をどうにかしないと!」

という事なんですね。
(まぁ誰でも思いつくとは思いますが)


各国の取り決め

国名 規制開始年 ガソリン車 / ディーゼル車 プラグインハイブリッド車 2016年度の新車販売台数 決定事項・推移
アメリカ(CARB州のみ) 2018年以降 規制 規制なし 7,105,162 350マイル(560km)以上走行できるBEVの台数比率を、2018年に約1.1%、2020年に約2.4%、2025年に5.5%
イギリス 2040年 販売禁止 販売禁止 2,692,786 環境食糧省大臣マイケル・ゴーブが、政府の発表としてリリース
インド 2030年 販売禁止 販売禁止 2,062,252 電力省・石炭省・新再生エネルギー省・鉱山省のピユーシュ・ゴヤル大臣が、発言
オランダ 2025年 販売禁止 販売禁止 382,825 与党、労働党(PvdA)が提議して、オランダ議会下院を通過
スウェーデン 2030年 販売禁止 販売禁止 372,296 環境大臣かつ与党スウェーデン緑の党のスポークスパーソンのIsabella Lövinがスウェーデンだけでなく、EU全体で規制すべきと発言
中国 2018年以降 規制 規制 24,420,700 国務院立法事務局発表、NEVクレジットによる規制で、250km以上走行できるBEVの台数比率を、2018年に約2%、2019年に約2.4%、2020年に約3%
ドイツ 2030年 販売禁止 販売禁止 3,351,607 ドイツ連邦参議院を通過(ドイツの規制はEUやUNECEの規制に影響大)
2017/9/24の選挙を前にメルケル首相は雑誌SUPERilluのインタビューで、ガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を指示、具体的な時期として2040年を示唆
ノルウェー 2025年 販売禁止 販売禁止 154,603 与党連合を構成していた中道右派(保守党を中心とする)と野党連合を構成していた中道左派(労働党を中心とする)が合意して発表したが、気候大臣Vidar Helgesen氏がツイートで表現を少し弱める
フランス 2040年 販売禁止 販売禁止 2,015,186 国務大臣権環境連帯移行大臣のニコラス・ユロが、政府の発表としてリリース
日本 4,970,260

規制が法制化されているアメリカ(CARB 州のみ)

アメ車
写真出典 https://pixabay.com/

まず最初に、『CARB 州』ってなんでしょう?

これは、カリフォルニア州の『大気資源局』が規定する規制を導入している州、という意味です。

ちなみに、コネチカット州、デラウェア州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ペンシルバニア州、ロードアイランド州、バーモント州、ワシントン州の、13の州と、ワシントンDCの事を指します。

つまり、この『CARB 州』だけが表示された厳しい規制を導入する、という事で、それ意外はどこも何も規制しないという事ですね。

そして、売るクルマ全てが BEV(Battery Electric Vehicle:電池に貯めた電気だけで走る、いわゆる電気自動車)でなくてはならない、というワケではなく、例えば 2025年は 5.5% が BEV でないとダメ、という事です。

言い換えれば、「残りの 94.5% はガソリン車でも、ディーゼル車でもなんでも良し!」って事ですね。


規制が法制化間近の中国

中国製のクルマ
写真出典 http://blog-imgs-40.fc2.com/

中国はもともと、アメリカの法規制に倣う場合が多く、今回検討されている規制内容もアメリカの 『CARB 州』規制に似た運用の仕方をしていますね。

ただ、アメリカの規制の場合、BEV(Battery Electric Vehicle:電池に貯めた電気だけで走る、いわゆる電気自動車)の航続距離が 560km なのに対し、中国の場合、250km と、ハードルが低くなってます。

ところが、全販売台数の中でのシェア要求が、アメリカの場合は 2018年は 1.1% なのに対し、中国では 2% と厳しくなってますので、「どっちが楽~♪」と、簡単に言うことは出来ませんね。


560km の航続距離は現実的か?

テスラ_モデルS
写真出典 https://www.tesla.com/

日本車しか知らない方も多いかもしれませんが、アメリカに『テスラ』という自動車会社があります。

電気自動車といえば、日産の『リーフ』がありますが、先ごろ発売された新型で、航続距離は 400km を謳ってますね。

しかし、テスラの最新機種、『モデルS』は 1,000km を超えた実績があります(公式サイトでは 630km を謳ってます)。
(もちろん、走行モードによって結果が違ってくるので、単純比較は出来ませんが)

こういった背景から、「航続距離が 560km というのは、決して非現実的ではない」という意見が聞けそうです。

ただこのクルマ、デカ(車幅 1.95m)くて重い(車重 2.1t)ので、「我が家の駐車場には入らない!」といった切実な理由で購入出来ない方もいらっしゃるでしょうね。苦笑
(ちなみに『リーフ』は車幅 1.77m、車重 1.5t なので、かなり現実的ですね)

しかもバッテリー充電にかかる時間がハンパ無いので、まだ気楽に乗り回せるというものでもありませんね。

具体的に言うと、日本中に 15基しか無いテスラ専用充電器 – 120kW – なら 1時間らしいですが、家庭用電源で例えば 100V / 20A = 2000W = 2kW で充電したとすると、実に 60時間掛かってしまう計算に!

で、電圧を 200V にして、あと他の家電も充電中は一切使わないという涙ぐましい努力をしてみると、200V / 40A = 8kW なので、フル充電までほぼ 15時間か、はぁ~。

しかもリチウムイオンバッテリーは、放っとくと勝手に放電してしまうので、しばらく乗ってないと、案外航続距離が伸びないという『怪奇現象?笑』も経験する事になります。

なので、

「バッテリーが次世代になるまでは電気自動車は待った方がいいんじゃない?」

と、個人的には思ってました。


『リーフ』はその点、かなり現実的

新型リーフ
写真出典 https://www3.nissan.co.jp/

『テスラ』は専用充電器『スーパーチャージャー』の普及が鍵を握りますが、『リーフ』の場合は日産や三菱のディーラー、道の駅や高速道路のサービスエリアなんかでも充電出来るので、お気楽さはかなり有ると思います。

なんせ、急速充電器は『テスラ』の 15基に対し、『リーフ』は 7,100基余りですからね。

しかし、『リーフ』では『CARB 州』規制をパス出来ません。
惜しいな~!


オランダは 2025年、他の欧州主要諸国はそれに続く!?

一方、オランダの 2025年規制開始から始まり、欧州の主要諸国では、完全に BEV しか売ってはいけないくなるという波が広がっていくようですね。

これは先に述べた 『CARB 州』の規制よりよっぽど厳しいですし、そもそもホントに環境に対してメリットが有るんでしょうか?


電気自動車はホントにエコなの?

いきなりなんですが、電気自動車も水素自動車も、「エコロジーの究極~!」みたいなイメージがありますが、実は大切なことを忘れてます。

それはパワーソース(ぶっちゃけ、燃料)です!

電気自動車なら電気、水素自動車なら水素がパワーソースになりますが、そもそも電気や水素って、そう簡単に手に入るものでしょうか?

電気は主に、火力発電所で化石燃料を燃やして作ってます。
もちろん、大量の二酸化炭素を発生しながらです。

水素は水を電気分解して酸素と水素に別れますが、そうやって作るのに、やはり電気を使います。
その電気は、火力発電所で大量の二酸化炭素を発生しながら作ってます。

つまり、電気自動車も水素自動車も、わざわざ大量の二酸化炭素を発生させて作られた電気が命綱。


水素自動車は最悪

水素自動車に至っては、わざわざ大量の二酸化炭素を発生して作った電気を使って、さらに水を電気分解して水素を作るという二度手間がかかってますが、こんなんで効率が 100% 稼げるわけ無いですよね?

わざわざ『クルマから水を作る』という『摩訶不思議?』みたいな事の為に、これだけの手間をかけてるんですよ。

しかも水素は保存が超ウルトラ難しく、燃えやすくて危険な気体です。
そんなに水を作りたかったら、ややこしい事してないで、井戸の水でも汲んでくればいい、いやいや、水道の蛇口を捻ればいいんです。笑


エネルギーの最も効率的な作り方

実は、今の車のエンジンはとても効率がいいんです。

電気は保存が効きません。
そう言うと語弊がありますね、「電池で貯められるじゃないか!」と怒られそうですが、時間の経過とともに勝手に放電しちゃうのと、エネルギー貯蔵という概念から言うと、化石燃料と較べて比較にならないほど効率が悪いから、電気自動車には巨大なバッテリーが必要になってきてしまうんです。

だから今の車のエンジンを、更に効率を上げていく方がよっぽど理に適ってると思うんですよね。
もちろん、電気の貯蔵技術の進歩も目覚ましいものがありますが、それが実用的となる目処がつくまでは、いきなり「電気自動車以外は売っちゃダメ」にするのはどうか?と思います。


欧州はどうなってるのか?

さて、では欧州のクルマメーカーではどういう事になっているのでしょう?

日産の新型『リーフ』は非常に良く出来たパッケージングですが、航続距離では『テスラ』に一歩譲ってます。
そして、そもそも、「将来は電気自動車以外は売っちゃダメ」という規制になるんですから、実用的になる目処でも立っているんでしょうか?


ポルシェは打倒テスラ

ポルシェ_EV
写真出典 https://cdn-zuu-online.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/

ポルシェは、オリバー・ブルームCEOが「2023年までに、年間生産台数の50%を電気自動車(EV)にする」 という意向を表明したそうですから、鼻息が荒いですね~!

かつては「パフォーマンスがポルシェ愛用者の期待水準に満たない」と、EVをコケにしてたポルシェが、2015年にフランクフルト・モーターショーで発表したコンセプトカー『ミッションE』は実際に開発が続いていて、2019年の発売が予定されているそうです。

パフォーマンスも 0-100km/h を 3.5秒で加速、15分で 80% が充電出来る『800ボルト・チャージング・システム』の搭載を目指すなど、『ミッションE』がテスラの『モデルS』の対抗馬のようですが、あれ?テスラの『モデルS』って、確か 0-100km/h は 2.7秒じゃなかったっけ?。

気になる燃費は、欧州の燃費測定方法、NEDC(新欧州ドライビング・サイクル)に基づくと「一回の充電で500kmを超える航続距離」というけど、これもテスラの『モデルS』は同じ方式で 613km だったっけ?

極めつけは「NEDCによる検査値が実際の路上走行時より平均40%も誇張されている」という T&E(トランスポート・アンド・エンバイロメント)の調査結果も有る事だし、「実際は 250km を上回る程度では?」との意見も。笑


BMW は既にリリースしてましたね

ただし、純粋な BEV と呼べるのは、i3 だけです。

なお、BMW では、日本国内に急速充電:6,956ヶ所(フル充電まで 45分)、普通充電:13,748ヶ所あるので、テスラほど非現実的では無さそうですね。

BMW_i3
写真出典 http://bmw-i.jp/

航続距離は公証で 390km だそうで、新型リーフの 400km と殆ど変わらないです。

なお、これにエンジンも積んだ『レンジ・エクステンダー』モデル(そうなると BEV とは呼べなくなってしまいますが)も有るそうですが、これだとこの記事で危惧してる『BEV 以外は売れない法規』には合致しませんね。

以上で欧州のクルマメーカーが扱っている BEV は全部です。
特に、『今現在、手に入る』という条件だと、BMW の i3 しか無いです。
(この記事は 2017年10月1日現在の情報に基いてます)

他の欧州のメーカーが出してるのは、いわゆるハイブリッド、つまり電気と化石燃料で動く仕掛けのクルマばっかりです。


電気をどうやって作るか?が今後の課題

上でも述べてますが、化石燃料を使って火力発電所で発電した電気を使ってるようでは、電気自動車も水素自動車も、ちっともエコじゃないワケです。

「じゃ、他の方法で発電すればいい!」

まぁそうなんですが、その代表となるのが太陽光発電や風力発電でしょうけど、これも敷地がデカイ割には発電能力が全然足りてないですし、二次的に公害となる点も見過ごせないです。

Megasolar
写真出典 http://hatsudenkakaku.info/

例えば、今流行のメガソーラーですが、設備の下の地面には太陽光が届かないので、ソーラーパネルの下の土は死んでしまいます。

なので、メガソーラーではなく、全ての家庭が太陽光パネルを屋根に貼り、電気に関してはかなりのレベルで自給自足出来るようにすればいいでしょうね。

ただし、現在のソーラーシステムの発電性能は各家庭が完全に自給自足出来るレベルまでに至ってません。

その上でシステムを設置した場合、その投資した額を自家発電で浮かせた電気料金で『元を取る』まで、実は 30年掛かってしまいます。


発電だけじゃなく、蓄電も課題

リチウム電池
写真出典 http://www.nissan-global.com/

発電は課題が山積みですが、実はそれを貯めておく『蓄電』も課題があります。

というのも、

◆ 充電に時間が掛かる
◆ 折角貯めた電気が、時間の経過と共に放電されてしまう

といった課題が、電気自動車を現実的なモノとして扱えなくさせてしまっているんです。

充電に時間が掛かるのは、あまり急速に充電しようとするとバッテリーが痛むので、ある一定以上の電力の充電が出来ず、結果的に時間が掛かってしまいます。

フードバトルで、食道の太さ以上の量の食べ物を食べるとむせますが、あれを強引にやったら食道がパンクしますよね?笑

また、折角貯めた電気が放電されてしまう事を『自己放電』と言いますが、これはどんなバッテリーにも付きまとう問題です。

リチウムイオン電池は、バッテリーの中ではスゴく優秀ですが、困った事に、携帯のように少電力を使う場合はあまり問題が無いものの、電気自動車のような大電力を使う場合、この自己放電の問題が大きくなってきてしまいます。

なので、いま使われてる最新のリチウムイオン電池よりずっと高効率化されたものを各家庭に配備して、太陽光で作った電気をしっかり貯める事が出来る様にしないといけません。


まとめ

欧州では 2030年頃に電気自動車(BEV)しか売ってはいけない時代に『出来るの?』という素朴な疑問、そして電気という扱いにくいエネルギーを積極的に使っていく事の難しさを考えてみました。

化石燃料を使うことで二酸化炭素が発生するのはわかっていても、それがクルマで発生させるのが悪いのか、発電所で発生させるのは悪くないのか、どっちを選ぶのが全体を見渡した時に『本当のエコロジー』として正しい選択なのか、考えて頂けたら嬉しいです。

個人的には、電気の積極利用は『アリ』と思いますが、それを許容するだけの技術的な問題やインフラ整備について解決しなければならない事は山積みです。

「落雷の電気を貯められたらな~」とか、「もっと太陽光発電の効率が上がんないかな」とか、「海洋温度差発電はどうして広まらないのかな」とか、色々思ってます。

え?水素貯蔵法についてですか?

今の水素タンク方式じゃ、「絶対安全」なんて言えませんよね。苦笑

もっと根本的に違う、より安全で、より貯蔵効率の良い方式が開発されないとお話にならないと思いますし、その開発労力を電気貯蔵法に回したほうがよっぽど理に適ってると思いますが。。。


この記事の内容が役に立ったと思ったら、記事をソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです。